2013年3月12日火曜日

犠牲者達に安らぎを『キャビン』

キャビン(字幕)
 

原題:THE CABIN IN THE WOODS
2012/アメリカ/95分

監督・脚本:ドリュー・ゴダード
脚本・製作:ジョス・ウェドン
製作総指揮:ジェイソン・クラーク
出演:クリステン・コノリー、クリス・ヘムズワース、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ 他

ストーリー:森の別荘へとやって来たデイナ(クリステン・コノリー)やカート(クリス・ヘムズワース)ら大学生の男女5人。彼らが身の毛もよだつような内容のつづられた古いノートを地下室で発見し、呪文を唱えてしまったことから、何者かが目を覚ましてしまう。一方、彼らの知らないところではその一部始終が監視され、コントロールされていたのだった。そして、何も知らない彼らに魔の手が忍び寄り……。


※ネタバレ厳禁な映画なのでご覧になる方はいつも以上注意してください※
 
 
映画秘宝の読者プレゼントページに10円切手を5枚ペタペタと貼って応募したハガキが奇跡的に当選したので観てきました!映画は『キャビン』。
当選したときの為にあらかじめ28日を休みにしておいて良かったですよ。
試写会会場はシネマート新宿(初利用)。開場前の長蛇の列を観て(こ、こりゃ立ち見か…?)と心配しましたが予想以上に広く横にワイドなスクリーンで面食らいました。
全員が映画秘宝当選者ではないにしても高校生含む老若男女が劇場を埋め尽くし期待度の高さが伺えましたね~。
上映前には劇場スタッフなのかあらかじめ録音してたものなのか分かりませんが、妙なツイストを効かしたマイクアナウンスが流れ、笑っていいものなのか否かと抑えめな笑い声が劇場を包み変な期待が高まりましたが、結論から言わせて頂くと……
もうね、最っっっっっっ高でした!!フーーーーウ!!ちなみに公開当日にもう一度観に行きましたよ!フーーーーウ!!

冒頭、コーヒーメーカーの前でワイシャツを着た二人の男が何やら妊娠についての世間話をしている。「ん?ホラー映画だよね?どういう語り口??」と軽く困惑していると、女の叫び声のSEと共にタイトルのTHE CABIN IN THE WOODSがデカデカと出てくる。この出方がもろにミヒャエル・ハネケの『ファニー・ゲーム』やんかーー!!期待度高まるわーーー!!どうなるどうなる~~!???


この後はシーン変わってスポーツマンa.k.a.雷神ソー、金髪ビッチ、マジメ君、ヤク中、処女というホラーの黄金メンバーが続々と揃い「準備はいいか?出発だ!!」「イェーーー!!FUCK YOUUUUUU!!!!」とエクセレントなテンションでバカンスへ出発してくれる。
 
ちなみにこちらが『ファニー・ゲーム』のタイトル↓



『悪魔のいけにえ』や『13日の金曜日』など、キャッキャとハメを外す若者が何者かにぶっ殺されるシナリオはホラー映画の定番。今作が大きく異なる点はその定番が覆されるという点。
最初はホラーとSFを組み合わせたハイブリッドな作品かと思ったんですが、観てるうちにアレアレ?っと。若者達が恐怖や混乱の中で死んでいく様が楽しむ為に観にきてるのに、なんだか・・・酷く不憫で可哀想じゃね?と思ってしまう。何故なら十中八九死ぬように仕向けられてる若者達に対し、酒を飲みながらどのクリーチャーが選抜されるか研究員総出で金を賭けたりと終始ヘラヘラしてる組織の下衆さが徐々に増していくのです。(笑えるんですが)。しかも「これはお客を喜ばせるためだ」とか言ってるし何なの!?みたいな。結構ここがこの映画の肝なんじゃないかと思ったりね。ラストのカタルシスにも繋がるし。
そしてクリーチャー選抜も面白くて、例えば球体パズルを完成させるとヘルレイザーもどきが、ほら貝を吹けば半漁人が・・・などなど数あるアイテムの中から登場するクリーチャーが若者達の本位とは裏腹に選ばられる…。結局埃をかぶった日記にあったラテン語の呪文を唱えたことで苦痛を愛するバックナー一家のゾンビが選ばれる。このシナリオがまたゾンビというオーソドックスな奴らだからラストのカタルシスが爆発するんですよね~うーんたまらん。
ここでゾンビシナリオが選抜されるのは言うまでもなく管理組織に在籍しているバラエティに富んだクリーチャー達へのお膳立てなんですよ。だからありふれたゾンビシナリオ(実際ゾンビシナリオが選ばれたとき、うーん半魚人が観たかった!と少しガッカリした人もいるのでは?)で抑えて抑えてラストに爆発させる。生き残りの反撃によって檻から放たれるシーンは今世紀最大のテンションになるのは必須。向かい合ったエレベーター扉から一気に現れる様々なクリーチャー。その後は管理組織員の阿鼻叫喚の地獄の連続。自分達が管理してるクリーチャーに牙を向かれるのは散々若者達の命をコケにした罰だと言わんばかり。映画の肝がここでカタルシスとクロスして本当に至福のときです。5000兆点出てます。

本編では日の目を見なかったものの、愉快な仲間は他にもたくさん!

数多の犠牲者を生んだホラームービー。この映画はその犠牲者達の仇討ちとも取れる内容なんですよね。何故ならこの研究所というのは「お客」=太古の昔に地球を支配した「古き者」を楽しませ、鎮める為に存在するのです。手段としては若者達の苦しむ姿を見せ、彼らの血を注ぐというもの。その為に研究所が作ったのか、「古き者」が創造したのか分かりませんが、前述のヘルレイザー、半漁人、『イット』に出てきたようなピエロ、ゾンビ、ゴーストらを出動させるわけです。
そしてその「お客」というのは我々観客であり、このシナリオを管理している研究所こそが映画の作り手であるのです。僕はラストのカタルシス爆発部分で「そうか・・・『死霊のはらわた』のブルース・キャンベルも『13日の金曜日』のケビン・ベーコンもこの恐怖と苦痛を味わっていたんだね・・・その姿を見て笑っていたなんて・・・ごめんよ・・・」と軽く自戒するほど。
しかしそこはエンターテインメント!!自分自身のことは棚に上げ、研究所=作り手が自ら生み出したクリーチャー達によって殺されていく様を楽しもうじゃありませんか!!?これって最高じゃありませんか!!?最高ですよね!!!?

ぜひオススメなので自分のことを棚に上げ観てみてください!オススメです!!!

あ、一つ言わせてもらえるなら、パンフレットに格クリーチャーの図鑑的なものがあれば尚良かった!どこか別のところでデータ出してくれないか願うばかり!!